岩月亜紀 
心理相談室

(心理カウンセリング)

長野県茅野市
臨床心理士/理学療法士
  岩 月 亜 紀  
 050-5242-7536
     (9:00~21:00)     


<日頃の活動>

日頃は以下の活動を行っています。

  • これまで、静岡県の浜松市で、民生委員・児童委員、スクールカウンセラー、子どものメンタルヘルスサポーターとしての公的活動を行う傍ら、「岩月亜紀 心理相談室」を運営しておりましたが、2022年7月に茅野市に活動拠点を確保し、現在、茅野市/原村にて「岩月亜紀 心理相談室」の対面カウンセリングを行っております。

オンラインカウンセリングの普及について

  • コロナ禍の影響で、ビジネスや教育機関においてリモート会議やリモート授業が幅広く普及し一般化して来ました。この社会の変化を捉え、地域を越えてより多くの皆様の心の不安に寄り添うために、また、遠隔地にお住いの方々のお悩みに対応するために、オンラインカウンセリングの普及に力を入れたいと考えております。オンラインでのカウンセリングは一度体験されると継続を希望される場合が多く、実績としてオンラインカウンセリングの比率が徐々に増えてきました。

スクールカウンセラーとして定期的に父兄の皆さんにお便りを送っておりました。
参考にその一部をご紹介します。

< 令和4年度 3学期 >

スクールカウンセラーの岩月です。学校保健委員会の子供たちの作成した掲示物に「レジリエンス」について書いてあるものを見ました。レジリエンスとは、物体に圧力が加わって圧縮された状態から、元に戻る力の事を言います。今まであまり使われなかった物理学用語が、脚光を浴びている、それはなぜかなと考えてみたいと思います。物体に圧力が加わっている状態をストレスと言います。ストレスは、低学年の子供も知っているほど一般的に使われています。長い間、ストレスばかりが有名になっていたわけです。私は、たぶんレジリエンスという言葉が、あまり必要ではなかったのだと思っています。それは、今までの人はストレスが掛かっても、ストレスで潰されてしまうことなく、何とか耐える力が備わっていたからだと考えています。私たちの心にストレスが掛かって潰されても、潰されたまま何とか耐えているうちに、ストレスに強くなり、自然と元の元気な心に戻っていたのではないかと考えています。この力は、「忍耐力、保持力、キープ力、我慢力」と言えるでしょう。ストレスが、心に加わってすぐにレジリエンスで楽しいことばかりしていたら、この忍耐力、我慢力を培うことが出来ません。どんどん弱い心になってしまいます。自分の我慢力の強さを知り、限界すぎないようにレジリエンス力を発揮する。このようなストレスマネジメントが出来るように調整しながら学校生活を送ってほしいです。

< 令和4年度 2学期 No.2>

スクールカウンセラーの岩月です。先日幼稚園の園長先生とお話しする機会がありました。園長先生は、お母さん方が、どうやって子どもに接したらいいか迷ったり、不安になったりしていることに気づかれて、そこを支援していきたいというお話をされていました。人は、迷いや不安を感じると早く何とかしたくなります。これだと思える正しい子育てを見つけたくなります。でも、子育てに完璧な正しい方法はないと私は思っています。お母さん方が、迷いながら一生懸命子どもさんに接して行くその過程こそが大切だと思っています。子どもには、それぞれの個性があります。その個性に合ったそれぞれの接し方があります。ですから、ほかの子供には良い方方法でも我が子には合わないかもしれません。また、子供の成長に合わせて、接し方が変わっていきます。やっと自分の子供への接し方のコツが掴めたと思ったとしても、子供の成長を追いかけるように接し方も自然と変わってきます。ですから、子育て中は、迷いや不安を多くの方が体験されます。これらの気持ちを感じたら、「私は、子育てを頑張ろうとしているところ。」と前向きにとらえてください。そして、相談できる人に話してみてください。

< 令和4年度 2学期>

皆さんこんにちは。スクールカウンセラーの岩月です。今回は、以前にお伝えしたことがあるペアレントプログラムの中から、子供たちへ接し方のコツの中から1つだけ選びました。それは、「計画的な無視」というスキルです。これは、好ましくない、困った、直してほしい行動に対して敢えて注意しないで無視するということです。いままでの私たちの体験からは真逆の方法を提案されています。私たちは「子供たちに、注意したり叱ったりしないと分からないでしょ。」と反論したくなります。子供が部屋を散らかすという例で説明すると、「また散らかして、早く片付けなさい。」と注意した場合。散らかすと叱られるという事だけ学習してしまい、これが繰り返されると、お母さんは叱る人、もしくは僕、私は叱られるダメな子供という学習になっていきます。こうなると自己肯定感が育ち難いという負のスパイラルに陥ります。ですから、ここでは敢えて計画的に無視をするという選択が推奨されます。そのうえで、少しでも片付けようと子どもが動いた時には、透かさず褒めてあげます。散らかすこと(好ましくない)と片付けるという(好ましい)行動を、別々にとらえて、好ましい行動のみを褒めて強化していくというコツを紹介しました。

< 令和4年度 1学期 N0.2>

若葉が輝き、生き生きとした季節がやってきました。新年度を迎え緊張気味だった子どもたちも、新しいクラスメート、担任の先生にも慣れて勢いに乗っているように見えます。子どもたちが成長すると忍耐強さ、我慢強さも備わってきます。子どもの「頑張る!」という言葉を聴くと頼もしく感じられますし、後押ししたい気持ちにもなります。頑張りには、2種類があります。大好きなものを頑張るポジティブなものと、嫌いなものへの頑張りのネガティブなものです。好きな物では、どこから湧いてくるのかと思うほどエネルギーが出てきます。ですが、嫌いなものでは、エネルギーが枯渇してしまいます。学校生活では、嫌いなこと、苦手なことも頑張らなくてはなりません。大嫌いな算数の授業に、「分からない」、「当てられたらどうしよう」と思いながら参加している場合は、緊張したりしていますのでとても心のエネルギーを使って疲れます。ただ授業に参加しているだけという認識から、苦手なことから逃げずに頑張っていると褒めてあげて欲しいです。ネガティブな頑張りは、自分自身へ誉め言葉と上手な休息も必要です。生き生きと学校生活が送れるように工夫しましょう。

< 令和4年度 1学期 >

スクールカウンセラーの岩月です。今年度も継続して担当します。どうぞよろしくお願いいたします。今回は、スクールカウンセラーの利用の仕方について感じていることなどをお伝えします。この2~3年の業務を振り返ってみると、子どもたちとの面接よりお母さん方との面接件数の方が多かったです。その中には、余程重大なことでも起きないとスクールカウンセラーを利用してはいけないとお考えの方もいるようでした。私は、重大なこと、例えば不登校が始まってしまう前に、是非利用してほしいと思います。いつもと違うと感じたとき、「どうしたのか?」と思ったときに気軽に相談してください。スクールカウンセラーは、お母さんと一緒に一人一人のお子さんの辛さ、苦しさなどを一緒に考えたいと思っています。私は、子どもを支えているお母さん方の支えになりたいと思っています。また、お子さんの利用の仕方については、保護者の許可がないとスクールカウンセラーを利用できないと聞いています。上手に言語化できない小学校1年生からでも面接は出来ます。気楽にお話ししてみるようにお子さんにお声かけ下さい。母子面接という形もあります。また、日ごろの様子を見ておいてほしいという要望もありました。いろいろな形で子どもたちが元気に登校できるよう支援していきます。

< 令和3年度 3学期 >

スクールカウンセラーの岩月です。庄内学園でペアレント・プログラム(ペアプロ)を実施する予定になったので、それに合わせて少し詳しくこのプログラムを紹介したいと思います。浜松市では、浜松医大、精神保健福祉センター、教育委員会が連携して、このペアプロの普及に取り組んでいます。このプログラムはペアレント・トレーニング(ペアトレ)の簡易版ですが、ペアトレはアメリカを中心に研究されている応用行動分析を基本にして考えられたもので、既にその有効性が世界的に認められた治療法です。ペアプロはペアトレに参加する前段階の位置づけとして開発され、参加者が取り組みやすく楽しく出来るようになっています。ペアプロの基本目的は、①行動で考える、②叱るのではなく褒めて対応する、③保護者の仲間づくりの3点セットになっています。私が子育てをしていた時に、このプログラムを知っていたら、参加していたら、子育てをもっと気楽に楽しくできていただろうと思います。子育てに難しさを感じている保護者の方だけではなく、お子さんの個性や意欲をもっと高めてあげたい方、興味を持たれた方はぜひ参加してください。学校からの案内があると思いますので、そちらで申込ください。

< 令和3年度 2学期 >

スクールカウンセラーの岩月です。今回は、回避性パーソナリティ障害(以下回避性Pとする)について。回避性Pは、病名ではありますが、カウンセリング業務を行っている中で、この特徴な傾向を有している人が案外多いという印象を持つようになりました。ここでは病気の説明ではなく、性格的特徴としてお読みください。その特徴は、失敗や傷つくことを極度に怖れるあまり、最初からやらない方がいいと思ってしまうことです。ことに、彼らは対人関係においては、傷つけられるより一人でいるほうがましだと思っています。回避性Pの背景には、親に褒められたことがない、いじめを受けていたや逃げ場のない苦しい体験をしていること多いと言われています。また、親の期待に応えようと頑張り続けてしまう子も後遺症として無気力になり、回避傾向を持つことがあると言われています。回避性Pを防ぐ最も大事なことは、本人の主体性、気持ちを尊重することです。親ではなく、本人自身が何を求め、何をやりたいかということを大事にすることです。親は、本人が意思表示するのを待つ事も必要です。親は、子どもの主体性を育み、自分の人生に決定権と責任があることを教えていかなければなりません。本人の意思表示が、学校を休むなど期待外れのものでも、こどもの心に耳を傾けてあげてください。多くの回避行動は、初期の段階で一時的に休ませてストレッサーから離してあげることで、自然回復すると言われています。ストレッサーから回避できないと思い込むと重症化、長期化してしまいます。一時的な回避は、ストレスや傷つきに対する自然な反応と捉え、気持ちに余裕を持ってください。

<2021年2月>

スクールカウンセラーの岩月です。今年度最後の道草便りになります。不登校についてスクールカウンセラーの研修で、児童精神科の医師の講演がありました。その中から抜粋して以下に記載します。 不登校の不思議

  1. 前の夜「明日は学校へ行くよ、しっかり起こして」というが、次の朝になると、起きられないし行こうとしない。
  2. 朝、嫌がっても、無理やり連れて行ったり、脅かしたりすかしたりして連れていき、いったん教室に入ると、元気よく一日やってくるということもよくある。
  3. 再登校でき安定してから、不登校の時の状況や気持ちを聞いても、あまり覚えていないという答えが多い。夢と同じように、目が覚めると記憶はおぼろになってしまうようである。
  4. 中学を卒業すると、不思議と動き始める子が多い。

これを読まれて皆さんは、どのように思われたでしょうか?本当に不思議ですね。教育委員会のアンケート調査では、不登校の原因の1位は、原因不明です。物事の現象を、原因と結果で考える習慣が付いている私たちは、子どもに「どうして学校を休みたいの?」と必ず聞いてしまいます。大人が納得できる答えは中々返ってきません。科学的ではありませんが、私は「気」で考えてみるのはどうかと思っています。元気、気力、気持ちの気です。1つだけではない様々なストレスで「気」が減ってしまっているためと考えてみます。不明の原因を探すより、まずは気力を回復して欲しいと思っています。

<2021年1月>

スクールカウンセラーの岩月です。庄内学園では、11月から学校保健委員会で「こころのスキルアップ」をテーマに、レジリエンスについて学んでいました。子どもたちは、すでにこの言葉を理解し、レジリエンス力を高める意識を持って生活していることと思います。私たちは、世の中の目まぐるしいスピードでの変化を良いこと困ったこといずれにしてもストレスとして感じます。変化が激しいこれからの世界を生き抜くためには、これまで以上のレジリエンス力が、必要とされます。子どもたちが、自分なりの高め方を身に付けて、しなやかに成長してくれることを応援していきたいです。12月21日に行われる学校保健委員会に私も参加させてもらいます。子どもたちと一緒にさらに学びを深める時間になることを楽しみにしています。

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