岩月亜紀 
心理相談室

(心理カウンセリング)

静岡県 浜松市
 臨床心理士 
 岩 月 亜 紀 
 050-5242-7536
     (9:00~21:00)     


<研修会の報告>

テーマ:「統合的心理療法」  

講師:お茶の水女子大学 准教授 岩壁 茂

2019年4月14日にアクトシティ浜松で開催された日本心理臨床学会の地域研修会に参加しました。今回の研修は三つの講義から一つを選択して受講するものでしたが、私は上記のタイトルを選びました。その選択理由は、時代の変化と共に様々な心理療法が研究開発されて来ており、その内容を学ぶ機会にも恵まれていますが、それらを組み合わせることについてはこれまであまり焦点が当てられることがなく、その点について私自身が疑問に思ったり興味を感じたりしていたためです。母校の大学院では古典的な心理療法の継承に非常に力を入れていたこともあり、新たな手法を取り入れたり異なる心理療法を組み合わせたりすることが異端視されがちでしたが、カウンセリングの実践の場ではクライアントさんの状況に応じて様々な心理療法を組み合わせて活用しているのが実情です。自分なりにその手法を学術的な観点から整理できればと思い参加して来ました。記憶に留めておきたいことと感想をまとめて記述します。

  • まず、挙げておくべき言葉は、SEPI(The Society for Exploration of Psychotherapy Integration)です。岩壁先生はセピと呼んでいました。敢えて私が理解するために「心理療法の統合を探求・研究するための集団・仲間」と訳しておきます。世界中の研究者が集まりメタデータを使って心理療法の統合を研究する段階に来ているということを今回知ることができました。ホームページは https://www.sepiweb.org/ 、私が知りたいことはまだまだこれから研究されるようで現在準備段階にあるようです。岩壁先生が翻訳された本が一冊紹介されました。今後も順次SEPIの研究結果が日本語訳されることを期待します。
  • 心理療法を統合した効果を知りたくて参加しましたが、そもそも「単一のそれぞれの心理療法そのものに効果はあるの?」という前提から疑う姿勢が必要だとか。メタ分析のデータ集めの段階ではあるが、「各心理療法間で効果の差がなかった。」、「5%~10%で悪化し、15%~25%では改善が見られないというデータもある。」とか、「心理療法の手法より、クライアントとセラピストとの治療関係の方が効果への影響が大きい。対人関係療法と認知行動療法での効果の差は0%、セラピスト間では5~12%の差があった。」などがスライドで紹介された。セラピストとしてはより効果的な手法を探して彷徨ってしまいがちだが、治療関係・信頼関係の構築がしっかりできることが優先されるということを再確認した。
  • 講義の後半は「感情のお取扱い方」がテーマであった。その中から感情体験を促進するための治療関係に必要な要素を4つを挙げたいと思います。
    1. 共感的波長合わせ:共感という言葉はよく使われているが、クライアントの感じ方、考え方にチューニングを合わせると言うことかと理解している。
    2. 現前性:セラピストが、今そこに居ること。もっとわかりやすく言えばクライアントの言葉に集中することとも言えるが、集中より存在することだと言った方がピンとくる感じです。流行りの言葉では、マインドフルネスな状態とも言い換えられると思います。
    3. 肯定:クライアントへの肯定的姿勢。
    4. 相互性:セラピストの心に湧いてきた感情など、聴くだけではなくお互いに伝えあう。

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